意識低い系・理系大学院生のマインツ留学体験記

化学専攻の修士2年生です。10月から約2ヶ月半、ドイツのマインツ大に留学。意識が低くても留学生活を満喫できることをお伝えできれば幸いです。

文章の論理性について

ドイツのどこかにいるアホが書いた、まぬけな文章がありました。

「世界を認知するフィルター、それが意識である。視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の情報を統合することによって、我々は世界を認知する。意識とは、これら五感の統合によって作り出される認知であり、我々は意識というフィルターを用いることにより、世界に触れることができる。美しい風景を見て感動する。素敵な音楽を聴いて楽しむ。そよ風に触れて気分がいい。美味しい料理を味わい、コーヒーの香りを楽しむ。全て、意識というフィルターが介在した行為だ。」

……読んでいて頭が痛くなってきませんか

そうなんです。この文章は非常に論理性が低いです。したがって、非常に読みにくい文章になっています

なぜなら、取り上げた本文はかなり短い文章であるにもかかわらず「①世界を認知するフィルター=意識」「②五感の統合によって世界を認知する」「日頃の何気ない行動には意識というフィルターが介在している」という、3つのテーマが混在しているからです。

この3つの独立したテーマをひとつの文章にまとめる事自体が誤りなのですが、なんとかこれをまともな文章にするとしたら

  1. ①と②の間には一切つながりがない
  2. 文全体で何が言いたいのか理解できない
  3. 「例えば」「したがって」「しかし」といった、接続部分が省かれている

という3つの課題をクリアせねばなりません。here we go

1. ①と②の間には一切つながりがない……についてのアドバイス

世界を認知するフィルターが意識であることと、五感の統合によって作り出される認知が意識であることは、この文章内では実は関係が無いです。したがって、論理が飛躍している印象を受けるわけですね。

まともな文章にしたいのであれば、まずは「意識というものが五感の統合体である」ことが一番言いたいのか、それとも「意識を介在して世界を認知している」ことが一番言いたいのかをハッキリさせるべきですね。この優先順位付けができれば「①と②のどちらを主題に文章を書けば良いのか」という判断ができます。頑張って決めましょう。

2. 文全体で何が言いたいのか理解できない……についてのアドバイス

なぜこの文章にまとまりが感じられないのかというと、文頭と文末で言いたいことが変わっているからです。「世界を認知するフィルターが意識である」という一文目に対して、文末部分では「日常的な行動には全て意識が介在している」と、一体何が言いたいのか意味がわからない、的外れな文章構成になっています。

まともな文章にしたいのであれば、まずは「意識というものが五感の統合体である」ことが一番言いたいのか、それとも「日常的な行動には全て意識が介在している」ことが一番言いたいのかをハッキリさせるべきですね。これができれば、文頭と文末で「最も言いたいこと」を揃えることができ、より論理的な文章になります。頑張って決めましょう。

3. 「例えば」「しかし」「したがって」といった、接続部分が省かれている……についてのアドバイス

この文章を書いた人はポエムが好きなのでしょうか。接続部分が尽く省かれているため、文章の論理構造が分かりにくいです。例えば、文中にて「美しい景色を見る」「料理を味わう」「コーヒーの香りを楽しむ」といった「意識が介在する行為」が例示されていますが、残念ながらその文頭に「例えば」という接続詞がありません。したがって、論理性に欠けている文章、かといってポエムとしても低レベルな文章に仕上がっているわけです。

まともな文章にしたいのであれば、まずは接続詞について勉強しましょう上記の1. および2. では「論理構造をはっきりさせる」ことを中心にアドバイスしてきましたが、本項目に関しては文章の論理構造以前の問題ですね。これができれば、色んな接続詞についての語彙が増え、文章の論理構造をより豊かにすることができます。頑張って接続詞についての勉強をしましょう。

 

飽きてきたのでこの辺で終わります。「まともな文章を書くには、なかなかエネルギーが必要になる」ということでした。他にも無限にケチをつけることができるのですが、ドイツのどこかにいる彼が可哀想なので、まあこの辺で勘弁してあげましょう。ホッホッホッホ😭