Steve Vai礼賛 - 名曲"For The Love Of God"について。そして、Steve Vaiの哲学について - 意識低い系・理系大学院生のマインツ留学体験記

趣味の音楽鑑賞についての記事です。今回はSteve Vaiという超絶ウルトラ変態ギタリストについて紹介したいと思います。紹介するまでもなく有名な人なんですが、本当に好きなんで書いていきます。

名曲 - For the Love of God

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これがライブバージョンです。が、ギターが巧すぎるのでCD音源そのものみたいな感じですね。曲はオリエンタルな雰囲気の印象的なフレーズの繰り返しから始まり、徐々に盛り上がっていきます。はじめはノンビブラート、次はちょっとビブラートが入ってエモーショナル、さらに次はピッキングハーモニクスがキーンと入って……といった具合に、同じフレーズを弾いているにも関わらず、このギターのマジシャンの手にかかると全然違った感じに聴こえてきます。

そしてクライマックスの速弾き……これはヤバい。わたしも下手ながらギターをそこそこ弾いたことあるんですが、どうやって弾いてるのか理解できません……。昂る感情そのものを音に乗せて伝える。こんなことができるギタリストって職業、この曲を聴いて素晴らしいな……って感動しました。

Steve Vai - "For The Love Of God"

お次はオーケストレーション・バージョンですが、もう凄みしか感じません。神の愛のために……というエモーションがグァーっと爆発しています。すごいすぎる。オーケストラに埋もれることのない彼の感情の昂りが、とてつもなく光っています。わたしはたぶんですが、この動画を100回くらい再生しました。

Steve Vaiの哲学

この御方、どうやってこんなすごい曲を思いついたんでしょうか……ってところが気になって、色々調べたところ、なんとインタビューが見つかりました。意識低いんですが、なんとか和訳しました。

原文：

"（前略）......I highly recommend that if you are a songwriter, you do everything you can whenever you feel a little bit of inspiration, something, something that's there even if it's not great, you know, if you don't, don't second-guess yourself, capture it. Just capture that the I've got my iphone, smartphone with me now but I've got probably thousands of little snippets of ideas. Some of them are pure crap but some of them tuned into songs that I've worked on and released such as "For the Love of God" and but that was recorded on a cassette player. Don't underestimate the power of your own inspiration and, and be aware of it.（後略）"

意識低い超訳：

「もしも君がソングライターなら、どんなに小さなインスピレーションで、たとえそれが全然すごくないようなものであったとしても、わかるだろ、自分のことを軽視しないで、掴むんだ。ただ掴むんだ。俺がアイフォンで何千もの小さな小さな切れっ端のアイディアを集めてるようにね。無論、それらの中にはとてもつまらないものもあるんだけれども、一部は"For the Love of God"みたいに、一曲に仕上げてリリースしたんだ。当時はカセットテープで集めてたんだけどね。そしてこの曲は、僕の家にあるピラミッドで録音したんだ。君のインスピレーションが持つ力を過小評価するなよな。気づくんだよ、自分の凄さに。自然体で受け入れるんだ。」

……これ、音楽だけじゃないですよね。我々有機化学者も、とても大事にしなきゃいけないことだらけで、本当にクリティカルヒットでした。

特に「どんなつまらない思いつきでも、軽視しないで、掴むんだ」っていうフレーズ。これにはハっとさせられました。わたし意識低いんですけど、ヒマな時って色々思いつくことがあります。でも、大抵は頭の中で完結させてしまいます。"It's not great"なので……。でもSteve Vaiが、For The Love Of Godという傑作を生み出すことが出来たのは、そういうつまらないと思うアイディアでさえも、"Just capture it"したからなんですよね……。本当に見習うべきことだなぁと、感嘆させられました。