意識低い系・理系大学院生のマインツ留学体験記

化学専攻の修士2年生です。10月から約2ヶ月半、ドイツのマインツ大に留学。意識が低くても留学生活を満喫できることをお伝えできれば幸いです。

ビートルズでドイツ語を勉強!? - "Komm Gib Mir Deine Hand"

はい。

日常会話どころか挨拶もままならない初学者の足元にも及ばない何かが何言ってんだって感じなんですが、ビートルズのドイツ語曲をですね、ビール飲みながらブツブツ歌ってると、ドイツ語への理解が驚くほど深まっていってビビったんですよ。これは記事にしなければということで、ようやくソラで歌えるようになってきた"Komm Gib Mir Deine Hand"(英:I Want To Hold Your Hand)という曲について、色々書いていきたいと思います🙋

"I Want To Hold Your Hand" - 雑記


The Beatles - I Want To Hold Your Hand - Performed Live On The Ed Sullivan Show 2/9/64

タイトルの楽曲ですが、元のタイトルは"I Want To Hold Your Hand"です。超有名な曲ですね。上の動画は英語版です。ちなみにですが、この曲「抱きしめたい」なんて邦題がつけられています。邦題ってのは基本的に奇妙なものが多いんですけど、この曲に関しては、個人的な感想ですが「ナイス!!まさにそこ!!」って思っています。「抱きしめたい」。うーんまさにそう……。大好きな恋人がいたらみんなそう思うってところをズバーンと直球で「抱きしめたい」ですからね。いい訳だなぁと思います。

さて、タイトルの"Komm Gib Mir Deine Hand"ですが、英語に直訳すると"Come Give Me Your Hand"になるそうです。そこからさらに日本語に訳すとですね「さあ、君の手を」って感じですかね。イイっすねえ〜なんかそういうの。わたしみたいな奥手のムッツリ君には到底思いつかない口説き文句です。例えばですね、終電逃しちゃったねってシチュエーションでですね、人気のないオシャレなバーでウイスキーなんかを嗜みながら「……さあ、君の手を……」なんて言われた日にはどんな女の子もズッキューンなんじゃないでしょうか。彼女が欲しい人はビートルズのラブソングを聴いて口説き文句を勉強したらいいと思います。どうでもいいんですが、わたしの容姿はヒゲの生えた状態の松山ケンイチをレンチで40回くらい殴った上で身長を10センチくらい縮めた感じですので、もしもこんなことしようものなら警察呼ばれちゃいそうです。もしくはあれですね、稲川淳二の怪談に出てきそうなホラーな展開になりそうですね。「ガァ…ガァ…オデ…ハラへった…君の手、食べたい…」みたいな。ピーターパンは焼いたら食べられますけどわたしにはそういう趣味はないです。はい。

この楽曲の背景なんですが、初期のビートルズってアイドルとして売り込んでいたので、直球のラブソングが目白押しだったんです。そしてこの時期は非英語圏にも売り込みをかけていてですね、ドイツに留学してるわたしにとっては喜ばしいことに、その一環としてドイツ語版の楽曲があるんです(2曲だけですけどね)。他にもまあ、アメリカへの売り込みを意識して、want toをアメリカ英語っぽくwannaって発音したりだとか、初期の楽曲ではレノン=マッカートニーとクレジットされているものの実際はジョンの独壇場だったとか、言いたいことはいっぱいあるんですけどキリがないので黙っときます。はい。

わたしは非常に飽きっぽい性格なんですが、こりゃ楽しみながら勉強するっきゃないということで、だいたい毎日聴いてます。この曲の何がいいかって言うと、もともとの英語の歌詞が直球のラブソングですので、文法やら単語やらが非常に簡単なんですよ。だもんで、ドイツ語初学者の足元にも及ばない何かが言語の壁にかじりつく足がかりとして最適だなあと思ったわけです。

"Komm Gib Mir Deine Hand" - 歌詞

では早速なんですが、歌詞を見ていきましょう!

"Komm Gib Mir Deine Hand"

O komm doch, komm zu mir
Du nimmst mir den Verstand
O komm doch, komm zu mir
Komm gib mir deine Hand (×3)

 

O du bist so schön
Schön wie ein Diamant
Ich will mir dir gehen
Komm gib mir deine Hand (×3)

 

In deinen Armen bin ich glücklich und froh
Das war noch nie bei einer anderen einmal so
Einmal so, einmal so

 

O komm doch, komm zu mir
Du nimmst mir den Verstand
O komm doch, komm zu mir
Komm gib mir deine Hand (×3)

 

In deinen Armen bin ich glücklich und froh
Das war noch nie bei einer anderen einmal so
Einmal so, einmal so

 

O du bist so schön
Schön wie ein Diamant
Ich will mir dir gehen
Komm gib mir deine Hand (×3)

"Komm Gib Mir Deine Hand "から学べること

とてつもなく直球のラブソングですので、日常会話でそのまま使える!みたいなフレーズはあんまないと思うんですけど、ドイツ語初めてだよ!って人(今のわたしみたいな)には、勉強になることがたくさんあるんじゃないのかなあと思ったので、3つ書いていきます。

1. 語彙が増える(しかも、超簡単に)

komm = come

gib = give

mir = me

deine = your

Hand = hand

etc...

といった具合にですね、タイトルを見ただけで、あっという間に5つもドイツ語を覚えられるんです。日常生活を送る中で"Komm gib mir deine Hand!"なんて言う機会はそうそうないんですけども、単語帳とにらめっこするより圧倒的なスピードで覚えることができます。いいですね。

※間違ってる気しかしないのでご指摘いただけると幸いです😥

2. 文法?が少しわかる

例えば、下記の部分にもいっぱい勉強になる点があります。

In deinen Armen bin ich glücklich und froh
Das war noch nie bei einer anderen einmal so
Einmal so, einmal so

例えば、上記歌詞の太字で示してある"deinen"ですね。タイトルだと"deine"だったはずが、ここの部分だと"deinen"になっています。いわゆる格変化ですね。わたしがドイツ語を勉強することを諦めた最大の原因の複雑すぎる格変化なんですが「Hand(名詞・単数・女性???)の場合deine(女性・対格???)、Armen(名詞・複数・男性???)だとdeinen(複数・与格???)」っていう例があるとですね、合ってるのか間違ってるのか分かんないんですけど、なんだかスっと頭に入ってくる気がします。あーdeinen Armenねーみたいな。ははは。やはり格変化は意味不明だ……。

また、上記歌詞の太文字で示してあるArmenという単語に着目すると、また勉強になります。つまり、ドイツ語の文章において、名詞は大文字から書くというルールがあることが一発で学べるということです。

他にも、上記歌詞の太文字で示してあるichという単語も注目に値すると思います。英語だと一人称のIは文頭でも文中でも必ず大文字で書きますが、ドイツ語の一人称ichは文中だと小文字になるんですよね。不思議〜。

※間違ってる気しかしないのでご指摘いただけると幸いです😥

3. 発音が分かる

例えばですね、eiって書いてアイって発音するのは多分ドイツ語ならではだと思います。例えばEinsteinってアインシュタインっていいますよね。あとこの曲に散々出てくるdeineだとかdeinenだとか、einerだとかeinmalだとか、全部「アイ(なんとか)」って発音します。すごく頭に入りますね。eiって文字列を見た瞬間に「あぁ、これはアイなんとか、かぁ」みたいな。正しいかどうかは知らないんですけど、まあドイツ語に慣れるって意味では素晴らしく効果的だと思いました。思っただけなので根拠はありません。はいぃ……。

※間違ってる気しかしないのでご指摘いただけると幸いです😥

音楽を聴くのは語学の勉強にピッタリだ!という理解

はい。

意識低いのでドイツ語のドの字も知らないんですけども、2分ちょっとの"Komm Gib Mir Deine Hand"を流し聴きするだけでここまで偉そうに講釈を垂れることができるんですよ。ヤバくないっすか。これ、なにもドイツ語だけじゃなくてですね、他の言語、例えば英語の勉強でも同じような効果があると思うんですよ。ただ音を楽しむだけで語彙も増える、文法も覚えられる、発音も分かる……。単語帳とにらめっこしてた時間返せ!って感じですね。

まあそもそもTOEIC485点の男がごちゃごちゃ言っても説得力ゼロなんですが、少なくとも「好きな曲で語学の勉強するのは楽しい」ということだけは、正しい!と胸を張って言えます。異国の言葉がストレスなくスっと頭に入る感覚、いいですよ。学習の妨げになるものが一切なくて素晴らしいなあとわたしは思います。

まとめ

  • ビートルズの"I Want To Hold Your Hand"は直球ラブソング
  • ドイツ語版のタイトルは"Komm Gib Mir Deine Hand"
  • 聴いてるだけでいろいろ勉強になる
  • 「音」を「楽」しみながら語学の勉強をするのはいい方法である

ということでした。

どうでしょうか。ミスチルやサザンもいいですけど、ビートルズのドイツ語曲、聴いてみませんか。飲み会の後とかで気になるあの子に"Du bist schön..."なんて囁いてみたら、もしかするとロマンチックな何かが始まるかもしれませんよ。ちなみにフラれたとか警察呼ばれたとか言われても責任は負いかねますので、ご利用は自己責任で……。

 

ありがとうございました。