意識低い系・理系大学院生のマインツ留学体験記

化学専攻の修士2年生です。10月から約2ヶ月半、ドイツのマインツ大に留学。意識が低くても留学生活を満喫できることをお伝えできれば幸いです。

留学するに至るまでの詳しい経緯②〜合格後、出発するまで〜

前回の記事の続きになります。合格後、なかなかヘビーな事前研修や留学準備などなど、やるべきことが結構ありました。受かったらすぐにドイツにトビタツ、というわけではありませんでした。ということで今回は、どういうふうにして出発までこぎ着けたかということについて、書いていきます。

6月下旬〜合格後の書類提出〜

格通知が来てからすぐに、誓約書にサインして出してねと言われました。

また、Feelnote(もはや誰も使ってないんじゃないのかな)というSNSに登録してね、今後はここで連絡とかするから、とも言われました。加えて、参加必須の事前研修の日程はこの段階で選びました。わたしは8月上旬にしました。

7月ごろ〜事前研修の書類制作〜

PowerPointで70ページぐらいある資料が送られてきまして、事前研修に参加するまでに全部穴埋めしといてね、というやつです。真面目にやらないと落とすぞ、という怖い一言があったことも申し添えておきます。というわけで事前研修の前日にバーってやりました。相変わらず学習していない。

8月上旬〜事前研修〜

事前研修は東京都内にて2日間にわたって行われました。開始がかなり朝早くだったので、東京にいる友だちの家に前泊させてもらいました。めっちゃ美味しいラーメン屋を教えてもらいました。1000円くらいでとても意識の高い魚介系のラーメンが食べられるって最高ですね。

1日目

うまいラーメンを食べて満足。ぐっすり眠れました。ということで、朝9時ぐらいから事前研修が始まりました。大まかな内容としては、東京都内のビルで「留学って素晴らしいよ!楽しいよ!君たちは日本代表なんだよ!だから頑張ろうぜ!イェ〜!」みたいな感じのノリで2日間缶詰にされます。意識低いのでこういう雰囲気が嫌で嫌でたまらないんですよね。加えて、休めない。休憩時間はもちろんあるのですが、タバコを吸いに行って帰ったらもう終わってる。短い!何度も遅刻しました。辛かったです。

事前研修の内容は、主にグループワークです。「○○ということについて、グループで話し合ってね」「お互いの留学計画を発表しあって、意見を言い合おうね」といった感じで、まさに就活のグループディスカッションを繰り返し繰り返しやりました。やはり企業が出資しているだけあって「まともな会話ができるような人間を育成してくれ」という意向があるのかなと勘ぐったりしました。就活を終えたばかりだったので別にどうということもなかったのですが、上述した通りとにかく休めない参加者全員、頭がボーっとしていて、徹夜明けみたいなテンションだったと思います

また、ヤンググローバルリーダー?みたいな感じのえらい人が来て講演を聞きました。よくわからなかったです。一度質問した気がしますが、何を質問したのか、そして何と答えていただいたのか、もう忘れました。その程度の内容だったということでしょうか。意識低いですね。

終わったのは夜の6時?ぐらいでしょうか。その後、都内の青少年自然の家的な場所で風呂入って寝ました。飲みに行ってる人も結構いましたが、わたしはそういうのについていけないコンディションだったので、さっさと寝てしまいました。

こうしてみてみると軽い洗脳セミナーですよね。おじいちゃんが高い布団買っちゃうアレ。まさにアレです。講師の方がこれはまたすごいひとで、その気になれば新興宗教団体の主催張れるんじゃないの?ってぐらい、人の心を操る技術に長けていました。人間を洗脳するには、意にそぐわない奴を殴る、蹴る、眠らせない、食事を与えない、など、自由を奪うことが一番手っ取り早い方法なのですが、この講師の方は直接的にはこういうことをせずにじわりじわりと真綿で首を絞めてきました。多分休憩時間が短く設定されていたのも、こういう直接的なストレスの与え方をやると捕まるので、狙ってやってたんだと思います。すごい。

2日目

2日目も同様に、ひたすらグループワークの繰り返しでした。また、中外製薬のえらい人が来て講演してました。企業説明会みたいでした。わたしは体力ない方なので、終わった後はもうへたり込んでました。この後別の用事が夜からあったので、都庁の展望台登ったり(ぼっち)、また別のうまいごはん屋さんに行ったり(ぼっち)して時間つぶしてましたとさ。

わたしは意識低くて留学イエエエ〜〜みたいなノリにはついていけないタイプです。ですので今回の研修には、あまり意味を見出せませんでした。しかしながら「人間を洗脳する方法」についての理解が少しだけ深まりました。これはとても貴重な経験だなと思います。集団が謎の高揚感に包まれるあの感じを一度でも体験していれば、年を取っても高い布団買わないんじゃないのかなあ。などと思いました。

8月下旬以降〜留学準備〜

意識低い系のわたしにはここもきつかったです。パスポート取ったり、航空券の予約したり、保険入ったり、キャッシュカード作ったり、トランクを見繕ったり、飲んでる薬の長期処方してもらったり、etc...ですね。一般的な留学準備なので特別なことはしなかったはずなのですが、ヘトヘトでした。ここで心がへし折れることは分かっていたので、トビタテに応募することを決めてからもなるべく考えないようにしていました。が、やはり締切はやってくるというわけですね……。本当に嫌でした。お金払うから誰か全部代わりにやってくれって感じでした。でもまあ、こんな意識低い系でもやることやれば全部なんとかなるもんですね。いずれ別の記事にまとめたいと思います。

まとめ

  • 事前研修のプログラムは意識低い系には辛い
  • その他もろもろの準備も意識低い系には辛い
  • ラーメンはうまい
  • ごはんはうまい
  • やらざるを得なくなったらなんとかなる

というわけでした。

辛かったは辛かったのですが、現在とても留学を楽しんでいるので、今となってはこれらの取り組みもいい思い出です。締切守れない系の意識低い人は火事場の馬鹿力をフルに活用してがんばりましょう。

 

ありがとうございました。