意識低い系・理系大学院生のマインツ留学体験記

化学専攻の修士2年生です。10月から約2ヶ月半、ドイツのマインツ大に留学。意識が低くても留学生活を満喫できることをお伝えできれば幸いです。

留学するに至るまでの詳しい経緯①〜合格するまで〜

そういえば、わたしがトビタテ!留学JAPAN7期生に採用され、ここドイツ・マインツ大学で研究をするに至るまでの経緯を詳しく書いていませんでした。意識低かったので、もしも誰かの反面教師になれれば幸いです。

2016年末〜トビタテ!留学JAPANに応募するきっかけ〜

昨年の12月だったでしょうか。わたしの所属している地方国立大のとあるラボから後輩が2人、トビタテ!留学JAPANに応募しました。その結果、なんと2人とも合格しました。そんな彼らの輝かしい姿を見て私は「うおすげえなこいつら!もしかしたらわたしも……」と妙な期待感を持ちました。これがきっかけです。

2017年1月中旬〜締切を守れない意識の低さ〜

わたしも……と思ったはいいんですが、そう思い立ったのが留学計画や自由記述の書類を提出すべき期限当日だったというところが意識低いですね。当然、この時点ではどこの国の何という大学に行って何をするのか全く決まっていませんでした。そこで指導教官に泣きついたところ、メール一本で受入許可を取ってくださりまして、もし受かったらマインツ大学にお世話になるかもしれない、ということになりました。

当然、書類は間に合いません。そこでわたしは「本当の期限っていつなんでしょうか……」と大学事務の方に泣きつきました。終わってます。果たして「本当の」期限はおよそ一週間後だったということが判明し、安堵感とともに家に帰りました。意識低いですね。

2017年2月下旬〜書類審査本締切〜

「本当の」締切(学内締切)は1月中旬だったのですが「本当に本当の」締切(本提出締切)は2月下旬でした。は……?と思った方。あなたは締切を意識できるから素晴らしい。その意識をちょっと分けてほしいです。 

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dead lineはいくつもある

図解するとこうなります。大学側もなるべく良い申請書を書かせたいので、何度かフィードバックする期間を設けているというわけですね。ということで、「あぁなんだ、締切まだなんだ」と余裕をぶっこいてました。アホですね。

とまあ、そうこうしているうちに本当に本当の締切の日がやってきて、まぁいっか、と申請を始めたところ……ひとつ重大なミスを犯しました。そう。「留学計画はWEBのフォームで記入、文字制限がある」ということをすっかり忘れていました。わたしは文章が長くなってしまうクセがあるので、これは困ったと大慌てで直して直してぐっちゃぐちゃ。ああもうこりゃダメだなと開き直ったバージョンを提出しました。これが締切3分前の出来事です。意識低いですね。

2017年4月下旬〜書類審査合格通知〜

就職活動で忙しくて、トビタテのことは完全に忘れていました。ある日、何気なくメールをチェックしていると、なんと格通知書が届いているではありませんか。びっくりしました。あれだけ滅茶苦茶なことをやっていたにも関わらず拾って下さるとは。捨てる神あれば拾う神ありとはこのことでしょうか。

ということで、トビタテの面接について準備を始めるのでした。

2017年4月下旬から5月上旬〜面接審査の資料作り〜

わたしは霞ヶ関まで結構遠いところに住んでいるので、さすがに締切3分前に準備するわけにはいきません。だんだん学習しつつあるんでしょうか。今回ばかりは本気を出して、余裕を持って一週間前ぐらいに面接審査で使う紙芝居を作り始めました。が、結局、完成版ができたのは出発当日の早朝だったというわけですね。やはり学習していませんでした。

2017年5月上旬〜面接審査@霞ヶ関

というわけで当日の朝まで資料を作っていたのでフラフラです。霞ヶ関に辿り着いたは良いが、いったいどこが面接会場なのかよく分かりませんでした(わたしは重度の方向音痴です)。いろいろ焦ったのですが、学生っぽい人の群れについていって、無事会場にたどり着けました。

就職活動をしていた最中でしたので、面接はどうすればいいか、グループディスカッションではこう目立てばいい、といったことはある程度把握できていました。ということで、受け答えはそこそこまともに出来ていたと思います。ということで面接に関しては、書類ほど滅茶苦茶な感じではなかったと思います。多分。

面接審査その1:個人面接

個人面接では、企業の人事の方?が担当になりました。文系の方だったようで「高分子ってそもそも何なの?」「高分子の何がいいの?」といったことを質問されました。こういう質問の方が答えるのって難しいんですよね……。

この質問には、次のように答えました(これは前もって準備していました)。

 —「小麦粉」が低分子、原料だとすれば、高分子は「スパゲッティ」「ペンネ」「うどん」「そば」です。このように、1種類の原料からたくさんの種類の材料を作り出すことができる。それが高分子化学の魅力です―

どうでしょう?有機化学を専攻されている方々からすると「ナメとんのか!」と言われそうな内容ですが、私の場合では、ここまで噛み砕いて、ようやく理解してもらえました。トビタテ受けよっかなと思ってる理系の人は専門分野のことをわからない人にうまく説明する方法を考えておくといいと思います。備えあれば憂いなしってことですね。

ちなみに、面接そのものはとてもなごやかでした。優しい面接官にあたったのかなと思います。面接の後半、かなり打ち解けた感じなったところで「君はもうちょっと語学の勉強したらいいんじゃないかなあ」と、ご指摘頂きました。仰る通りでございます……。

面接審査その2:集団面接

いわゆるグループディスカッションですね。5〜6人が輪になって話し合うやつです。わたしのグループはわたし入れて4人でした。各々、ぜんぜん違う分野を専攻しているのですが、とにかく楽しかったです。

初めに、1人あたり4分の時間が与えられ、各々の留学計画を発表しました。わたしは紙芝居をやりました。とにかく分かりやすく説明しようと作っていたので、専攻してる人に見せたらぶん殴られそうな感じの内容でした。後日、使った資料を指導教官に見せると「お前、怪しい情報商材屋みたいなことしてるな」と笑われました。ちなみに、他の人はパソコンのスライドショーだったり、レジメ配って口頭で説明したりと、各々のスタイルで発表していました。面白かったです。

次に、グループディスカッションがありました。「最高の留学にするために必要な3つのこととは?」というお題でした。グループのメンバーがとても優秀でしたので、自然と進行役やタイムキーパーが決まってゆき、とてもスムーズに終えることが出来ました。ちなみに、わたしはひたすら相槌を打つ係でした。ごめん。

面接終了後

グループになった4人ではなまるうどんに行って色々しゃべっていました。田舎の大学生ってあんまり東京に行く機会がないので、都会の大学生と会う機会ってぜんぜんありません。電車って便利だよね、改札って怖いよね、などと田舎者丸出しトークをひとしきり楽しんだ後、お別れしました。良い機会でした。ということで、別に落ちててもまぁいっか、と意識低い感じで無事、家に帰りました。

2017年6月中旬〜合格〜

格通知が来ました。嬉しいと思う一方で、これだけ滅茶苦茶なことをやってきた中、どういう評価をされたのかがちょっと気になりました。こんな経緯だったため、本当に合格したんだろうか?と、つい先日こちらで実験を始めるまで全く現実感がありませんでした。

 

まとめ

  • 締切はちゃんと確認した方がいい
  • こういう時のために先生とは仲良くした方がいい
  • 文字数制限などは前もって確認した方がいい
  • 資料作りも早めにやった方が良い
  • 何事も思い立ったらすぐやった方が良い

小学生の頃、8/31に泣きながら宿題をやってた感じの人でも、努力と運があればトビタテ受かるよ、という話でした。宝くじは買わないと当たらないのと同じで、応募しないことには何も始まらないので、ちょっとでも気になる人はとりあえず応募したらいいです。

 

ありがとうございました。