意識低い系・理系大学院生のマインツ留学体験記

化学専攻の修士2年生です。10月から約2ヶ月半、ドイツのマインツ大に留学。意識が低くても留学生活を満喫できることをお伝えできれば幸いです。

トビタテ!留学JAPANについて③ - 書類はこう書く!〜留学計画編〜

前回の記事にて、トビタテ!留学JAPANに合格するまでの全体の流れを紹介しました。

mainz-studyabroad.hatenablog.com

さて、今回からは「いったい何をどうやったら合格できたのか?」ということについて、書いていきたいと思います。TOEIC485点のわたしでも、キチっとするところをキチっとすれば、なんとかなりました。それでは、まずは留学計画の書類を書くコツについて、わたしなりに考えたことを紹介したいと思います。

具体的な留学計画の内容とその書き方

おぉトビタテええやん、と興味を持った方は、まずは留学計画の書類を作ることになると思います。が、ここがひとつの留学つまずきポイントになるのではないのかな、と思います。わたしは計画性がない人間なので、日常生活はおろか実験中もつまらない失敗ばかりしています。ということで、一番書くのがつらかった書類でした。そんなわたしがどうやって乗り切ったのか、参考にしてもらえるとうれしいです。

さて、この書類には大きく分けて下記の3つのことを書きます。

  1. 向こうでどのように過ごすのか
  2. 帰国後、どうやって成果を評価するのか
  3. 本当に計画に実現性があるのか

それでは、上記3項目について、わたしの体験談を交えながら見ていきましょう。

1. 向こうでどのように過ごすのか

ここで書くことは、具体的には下記3点になります。

  • どこに行くのか(国・大学・受入先機関)
  • どのぐらいの期間行くのか(具体的な期間)
  • どんなことをするのか(具体的な活動内容)

……これだけ見れば簡単そう、と思いますよね?

しかし、ばか正直に「10月あたまから2ヶ月半○○大学に行って、××の実験をします」と書くだけでは必ず落ちます。当たり前ですよね。

ではどうすれば良いのか……。

それは、トビタテ!留学JAPANの主催者とスポンサーが一体誰なのか?を意識して書くことです。前回の記事にチラっと書きましたが、そうなんです。トビタテ!留学JAPANの主催者は文科省、スポンサーは民間企業です。期間や受け入れ先といった具体的に計画ももちろん大切なのですが、その前に、一体彼ら(文科省・民間企業)は何のために返済不要の奨学金制度を設けたのか?ということについて考える必要があるのです。

彼らはいったいなぜ、未熟な私達学生に投資し、タダで留学させてくれるのか。それは、国内に居てはできないこと、すなわち留学先でしか得られない経験を引っさげて、日本に帰ってきてくれることを期待しているからです。この切り口から文章を書くと、論理的かつ説得力のある申請書になると思います。

では、わたしはどのようにして申請書を書いたのかといいますと

  • 現在の日本の社会にはどのような問題があるのか?
  • それにはどのような解決方法があるのか?
  • 上記の解決方法において、日本に居てはできないこととは何か?
  • 上記の解決方法において、留学先"でしか"できないこととは何か?

という4つの切り口から書類を作りました。

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表にまとめますと、上記のようになります。

具体的に私が取り上げたのは「高齢化社会→ガン患者の増加」という問題です。この問題の解決法のひとつとして「高度なドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発」が挙げられます。しかしながら「日本では合成化学者が実地的なDDSの開発に携わる場はほとんどない」のです。ところが留学先のマインツ大のラボでは「マインツ大学付属病院およびMax Planck Institute for Polymer Researchと共同研究を行っている」という、世界に類を見ない研究体制が整っていることから「合成化学者がDDSの開発に携わるにはここに行くしか無い!」となるわけです。

ちなみに、留学計画そのもの(どこに行って、どのくらいの期間、何をするのか)は、なるべく具体的に書きましょう。「〜の実験を10/15から10日間取り組み、〜の測定を10/25から20日間取り組み……」といった具合に、おっこいつ本当にやりそうだな、と思わせられそうな、具体的な期間・内容を示すと良いです。

2. 帰国後、どうやって成果を評価するのか

うまく計画が立てられたところに水を差すようですが、ただ外国に行ってきましたというだけでは、そうは問屋が卸しません。きちんと成果を見せておくれ、ということですね。なるべく具体的なアウトプットを書きましょう。

わたしが取り上げたのは「実験の成果を修士論文にまとめる」「あわよくば得られた成果を査読付き学術誌に投稿する」「英語力の向上をTOEFL-iBTにて評価する」「今回の留学における交流を通じて共同研究を立ち上げる」といったことがらでした。できそうなことを、具体的に書きましょう。

3. 本当に計画に実現性があるのか

計画倒れ」という言葉がありますよね。そうはならない!ということをアピールしましょう。例えばわたしの場合ですと、腐っても3年間合成実験に取り組み続けてきたわけですので、一通りの実験操作はできるわけです。ということで「実験に関しては問題なく取り組むことができる」と書くわけです。

また、言語に関することがらも書きましょう。わたしはTOEC485点という数字のとおり、英語力のえの字もない人間なのですが「日常会話は問題なく可能である」と書くわけです。本当?と思いますが、日常会話ってつまり「おはようございます」「さようなら」「〜はどこにありますか?」ぐらいなもんですので、小・中・高の英語教育を受けた方ならば問題なくできるはずです。自信を持ちましょう。

ただ、さすがに挨拶しかできないのはマズいので、目標を高く持って練習しています、と一言付け加えると、より印象が良いと思います。

まとめ

  • 書く前に、スポンサーと主催者の意向について深く考える
  • 計画はなるべく具体的に書く
  • 語学に関しては根拠のない自信を持つ

というわけでかなり長い文章になってしましました。すみません。

もしここまで読んでくださって、添削してほしい!なんて方がいらっしゃいましたら、コメント欄で教えてください。時間があったら相談に乗ります(乗るとは言っていない)。

 

ありがとうございました。