超分子化学における"isodesmic"という単語の意味について
日本にいた時のある日のこと。ヒマなので超分子化学関連の論文を読んでいました。
わたし「ほうほうisodesmicね、よく分かんない単語ですね、さてググるか……。」
グーグル先生「あえおfじゃdfはdんsんだけじょえ」
wikipedia先生「あおうえfhぱえyrgf−17@3^84う1j−r3えrうf」
わたし「……。」
……そっと、論文のpdfファイルを閉じました。
そうなんですよね。初見だと意味不明な単語なんですよねこれ。isodesmicって何やねんと。ググってもよくわからない結合様式とか反応様式しか出てこない。ということで、超分子化学におけるisodesmicという単語の使われ方について、自分なりの理解を書いていきたいと思います。意識低いのであんまアテにしないほうがいいかもしれません。
2つの成長モデル:isodesmicとnucleation-elongation
isodesmicという言葉だけではなくて、超分子関連の論文に頻出であるnucleation-elongationという言葉についても解説したいと思います。何かを暗記するときって、対になる概念も一緒に覚えると忘れにくいですよね。また、理解の助けになるはずです。はずです。
isodesmicとは
さて、超分子集合体の構成要素である小分子には、アミドや芳香環といった、水素結合やπ-πスタッキングなどの非共有結合的な相互作用を可能とする部位が存在します。それらの小分子が、あたかも高分子重合のような様式で繰り返し相互作用を形成した結果、様々な形状の超分子集合体が生成するわけです。
この超分子集合体の成長プロセスにおいて、構成要素の小分子が繰り返し同様の形式で相互作用を形成しながら超分子集合体になることを表すのがこのisodesmicという単語らしいです。
はい、意味不明ですね。
Dahui Zhao and Jeffrey S. Moore, Org. Biomol. Chem., 2003,1, 3471, Fig. 1 (b)
わたしの稚拙な文章よりもスーパー分かりやすい図がこちらです。こちらの論文から引用させていただきました。直線的な超分子集合体はisodesmic様式で成長するんですね。
nucleation-elongationとは
Dahui Zhao and Jeffrey S. Moore, Org. Biomol. Chem., 2003,1, 3471, Fig. 1 (c)
スーパー分かりやすい図がこちらです。こちらの論文から引用させていただきました。
isodesmic様式では、どこまで超分子集合体が大きくなっても同じ相互作用が繰り返し起こることに対し、nucleation-elongation様式では「核の形成に必要となる相互作用」と「形成された核からさらに大きな超分子集合体への成長に必要となる相互作用」に違いが生じているというわけです。isodesmic様式では成長中ずっと一定だった平衡定数の値が、nucleation-elongationでは成長の途中で変化するってわけですね、多分。
まとめ
- isodesmicとは(スーパー分かりやすい図を参考にして下さい)
- nucleation-elongationとは(スーパー分かりやすい図を参考にして下さい)
というわけでした。万一雑誌会とかで「この記事を真に受けたせいで先生に大目玉食らった!お前ふざけんなよ!」といった出来事がありましたら、クレームは受け付けます。いろいろ教えてください。コメント待ってます。
ありがとうございました。