意識低い系・理系大学院生のマインツ留学体験記

化学専攻の修士2年生です。10月から約2ヶ月半、ドイツのマインツ大に留学。意識が低くても留学生活を満喫できることをお伝えできれば幸いです。

歴史の勉強って大事だよね、という話

こちらドイツにきて、お世話になっている先生と実験中に雑談して「歴史についてあらためて勉強しよう」と思った話です。

日本語「ナトリウム」英語「Sodium」独語「Natrium」

ある日のこと。

合成のための脱水溶媒を作るため、金属ナトリウムをちょん切るという野蛮な作業をやることになりました。さすがに訳わからん留学生にやらせて事故を起こすわけにもいかないので、先生がやってくれました。散らかった破片に水かけて燃やしてめっちゃ嬉しそうにしてました。とその様子を横で見ていて、ふと「ドイツ語でもナトリウムはナトリウムなんですね〜」と話しかけてみたところ……

「その通り!ドイツ語ではsodiumじゃなくてnatriumだよ。日本もそうだよね。だいたい17世紀ごろかな、日本は鎖国している真っ最中で、外国からの情報は限られていて、その中でドイツの本が……(超訳)」

と、日本の歴史についてかなり細かく話し始めたではありませんか。これには驚きました。かつてポスドクとして日本で働いた経験があった先生だったとはいえ、ここまでどうやって調べたんだろうか、ウィキペディア読んだんだろうか、にしてもよくここまで覚えてられるな……とびっくりしました。

逆にどうでしょう、わたしが知っているドイツの歴史といったら、

ローマ帝国→崩壊→フランク王国フランク王国の訳わからん伝統で領地を相続する際に分割しまくった→ヨーロッパはめちゃくちゃになった→ヘンリーが10人くらい出てきた→神聖ローマ帝国だっけ?あれ?→…(無知)…→いまのドイツになった……?めるける首相?総理大臣?」

ぐらいでしょうか。全然語れません。言われてみれば江戸時代にドイツがいったいどんな国だったのか、全く知りません。

歴史を知らないことは恥ずかしい

ドイツという国とはどんな国なのか?ということを全然知らないんだなあ、と気づき、急に恥ずかしくなりました。思い返せばわたしは、歴史のみならず、現在のドイツの消費税はどうなっているのか、タバコの税金はいくらか、選挙はいつどこでどうやるのか、内閣は、軍隊は、外交は……といったことがらに関しても全く無知なまま、この地に居を構えているのです。これほどおかしなことってあるんでしょうか?

なぜおかしいか。それは、一体わたしは今どこにいるのか?どんな人達に囲まれて生活しているのか?ということを知らずに、二ヶ月半も生きていこうとしていたからです。例えるならば、二ヶ月半もの間、目隠しをしたまま正体不明の相手とルームシェアをしてる状態なわけです。恥ずかしくもあり、恐ろしいことです。

これからの目標

ということでこれからは、ヘンリーが何人いるかはひとまず置いておき、日本とドイツにはどのような接点があったのか?という軸から歴史を学ぼうと思います。そうすれば、少なくとも目隠しは外れるんじゃないのかなと思います。シーメンス事件って何だったっけ、発電機も買ってたんだよな……などと思い返してみれば、高校生の世界史や日本史で習ったことがらがいっぱいありますよね。これはやる気が出ますね。意識低いのでまずは日本語版のウィキペディアを読もうと思います。

まとめ

  • ナトリウムはドイツ語でもナトリウム
  • 歴史を知らないと恥ずかしい
  • 歴史を知らないと怖い
  • 歴史を調べるのは案外楽しい

特に理系の人。歴史系の科目って「興味ないし点数取りにくいし役に立たないからつまらない」と感じてた人、結構いるんじゃないでしょうか。確かにただの暗記だとつまらないんですけど、いざ留学してみると楽しいのでいろいろ勉強してみようって気になりますよ、というお話でした。

 

ありがとうございました。