意識低い系・理系大学院生のマインツ留学体験記

化学専攻の修士2年生です。10月から約2ヶ月半、ドイツのマインツ大に留学。意識が低くても留学生活を満喫できることをお伝えできれば幸いです。

化学

先生がすごく早口で質問してたという話

こちらでお世話になっている先生は、わたしとお話するとき、とっても分かりやすい英語で喋って下さります。ゆっくりですし、難しい単語がほとんど出てこないので、わたしのTOEIC485点とかいうくそみたいな英語力でもコミュニケーションが成立します。ほんと…

ドラッグデリバリーシステム(DDS)って簡単に言うな!という話

本日、Nanosystems Initiative MunichのErnst Wagner教授がマックスプランク研究所にいらっしゃりまして、そのご講演をお聞きするというこの上なく貴重な機会がありました。腫瘍治療を目的としたドラッグデリバリーシステム(DDS)に関して、幅広いお話をお…

バイオの実験を生まれて初めてやってみて「ヤバい」と思った話

普段はノーベル賞の時期にしか話題にならない科学というジャンルですが、一昔前のなんちゃら細胞問題に関しては、不思議と世間の注目が集まりました。研究そのものよりも裏の人間関係のドロドロに注目が集まるのがなんとも言えないところですね。 なんで今さ…

やっぱり日本式の研究生活も悪くないなと思った話

「昨日はNMRが混んでて23時まで帰れなかったわー」 「いや、昨日はカラム2本やった上に重合3つ仕込んだせいで25時までかかったわー」 「いやいや、俺なんか転化率の経時変化を測定してて29時までいたわー」 「いやいやいや、(以下略)」 みたいに、日本の有…

合成計画で機会損失を避けたという話

なんでしょう。機会損失を重視するドイツ人の考え方ってすごく面白いんですよね。 今日、とある化合物の合成計画について先生とディスカッションしたのですが、そこでも「あぁ、やっぱり"時は金なり"なんだなぁ」と痛感させられました。ということで、有機化…

ドイツで実験して、機会損失という概念を学んだという話

「損をする」とは一体どういうことなのでしょうか。一般的には、 「ドラッグストアに行けば1000円で買えたはずの洗剤を、スーパーマーケットに行って1200円で買ってしまった。したがって、200円の損をした」 といった例が、いわゆる「損」ということに対する…

有機化学ミスあるある - 風袋は"きちん"と測定しよう

有機化学者にとって、収率を出すという行為は研究する上で非常に重要です。合成して精製して純粋なモノが取れたら「どれだけとれたのか?」を測定しないと、先生に叱られるだけならいいんですけど、これをキチンとしていないと、例のなんとか細胞の人みたい…

ドイツの研究室では、居眠りしている人がいない!という話

合成系のラボですと、居眠りしてる人って必ずいますよね。そりゃ、夜中の1時とか2時とかまで起きて実験したり報告書作ったり……ってしてたら、日中眠くなるのも当たり前な話です。これって多分、日本全国共通なんじゃないのかな?なんて思います。 さて、こち…

超分子化学における"isodesmic"という単語の意味について

日本にいた時のある日のこと。ヒマなので超分子化学関連の論文を読んでいました。 わたし「ほうほうisodesmicね、よく分かんない単語ですね、さてググるか……。」 グーグル先生「あえおfじゃdfはdんsんだけじょえ」 wikipedia先生「あおうえfhぱえyrgf−17@3…

有機化学者という生き物について

修士2年にもなると、あぁ有機化学やってる人たちってこういう人種なのねーってことがだいぶ分かってくるもんです。「有機化学者」って言われるとどうでしょうか。「どうせ理系だから堅苦しいんだろ」「理屈っぽくてウザそう」みたいなイメージをお持ちの方が…

学んだ実験小技①〜超音波洗浄機+フローター〜

タイトルにある超音波洗浄機(英:sonicator、意識低いので留学するまで英語でなんていうか知りませんでした)ですが、一般的にはメガネの汚れ落としに使いますよね。チュイーンってやって、皮脂とかゴミとかを落とすやつです。 チュイーン 実はこの超音波洗…

「時は金なり」を、実験室にて痛感したという話

「時は金なり」って言いますよね。これは、アメリカ合衆国の父たるベンジャミン・フランクリンの言葉だそうです。日本の言葉じゃないんですね。初めて知りました。 さて、今週から本格的にマインツ大学にて実験を始めたのですが、その中で、ラボの文化・思想…